« 2011年01月 | メイン | 2011年04月 »

2011年02月24日
 ■ 「TPPを考える国民会議」発足

 2月24日、東京の憲政記念会館で「TPPを考える国民会議」の設立総会が行われ、宇沢弘文さんが代表世話人に就任されました。就任にあたって宇沢さんは「…残されたわずかな力を振り絞って、TPPから日本を守るために頑張りたいと思います」と胸の内を明らかにされています。

 政府は26日から「開国フォーラム」(主催:国家戦略室)などというふざけたTPP推進イベントを全国9ヶ所で開催します。これに対して反対派は会場近くで「青空集会」を開催して抗議の声を上げるようです。

 また、同じ26日には、東京の明治大学で「ムラ・マチ座談会・集会」と日本経団連へのキャンドルデモが行われ、さらに、発足したばかりの「国民会議」も山梨県で「対話集会」を行うなど、2月26日は、まさにTPP「推進 vs 阻止」の「2、26決戦」の様相を呈してきています。

 菅首相は「6月にTPP参加を決定したい」としていますが、それまで菅政権がもつとは誰も思っていないでしょう。菅政権とともにTPPを葬り去るチャンス到来です。というよりも、「TPPによって菅政権を葬りさる」というカタチに持っていった方が、今後の日本にとって、いいでしょう。

 開国フォーラム
 http://www.npu.go.jp/forum/index.html

■「TPPを考える国民会議」サイトより   http://tpp.main.jp/home/ 

 代表世話人挨拶

 私はこのたび「TPPを考える国民会議」代表をお引き受けいたしました。この会議は、菅直人首相が「第三の開国」と称して積極的に推進している「環太平洋パートナーシップ」(TPP)参加が何を意味するかを明らかにし、日本の将来にどのような影響を及ぼすかについて、広く国民各層の考えをまとめて、大きな国民運動を展開することを目的とします。

 そして、現在日本のおかれている危機的状況を超克して、真の意味で豊かな、そして人間的に魅力のある国を造ろうとするものです。私自身学究者としての60年間を通じて、ひたすら追い求めてきたものでもあります。

 私といたしましては、残されたわずかな力を振り絞って、TPPから日本を守るために頑張りたいと思います。どうかよろしくご支援、ご協力をお願いいたします。

 東京大学名誉教授
 宇沢弘文

メンバー
代表世話人   宇沢 弘文(東京大学名誉教授)
副代表世話人  久野 修慈(中央大学理事長)
世話人     山田 正彦(TPPを慎重に考える会会長)
世話人     高田 明和(浜松医科大学名誉教授)
世話人     服部 信司(日本農業研究所客員研究員)
世話人     今田 美奈子(国際食卓芸術アカデミー協会会長)
世話人     金子 勝(慶応義塾大学教授)
世話人     榊原 英資(青山学院大学教授)
世話人     鈴木 宣弘(東京大学教授)
世話人     堀口 健治(早稲田大学教授)
世話人     山中 教子(株式会社サウンドTAKA代表取締役社長)

【賛同団体】
精糖工業会
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会
パルシステム生活協同組合連合会
大地を守る会
平和フォーラム(原水爆禁止日本国民会議)
社団法人 日本歯科医師会
社団法人 日本薬剤師会
全農林労働組合
全国建設労働組合総連合会(全建総連)
社団法人 日本林業経営者協会
全国離島振興協議会     

■反TPPで対話集会開催へ=山田前農水相らが「国民会議」

 環太平洋連携協定(TPP)に日本が参加した場合の問題点を議論する「TPPを考える国民会議」が24日、発足した。代表世話人の宇沢弘文東大名誉教授と、「TPPを慎重に考える会」会長の山田正彦前農林水産相が都内で記者会見して発表した。26日の山梨県をスタートに全国各地で市民を集めた対話集会を開き、地方から国民的な議論を喚起するという。

 山田氏によると、国民会議には、慎重に考える会が団体として参加。幅広い団体・個人に参加を呼び掛け、3月下旬に正式な設立集会を開く。

(時事 2011/02/24-19:47)
 http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2011022400741

■「TPPから日本を守りたい」宇沢東大名誉教授が代表に
  TPPを考える国民会議が発足

  【日本農業協同組合新聞】

 TPPへの参加は何を意味するのか。日本の将来にどのような影響を及ぼすのか。TPPについて広く考えることを大きな国民運動にしようと2月24日、「TPPを考える国民会議」が発足した。代表は宇沢弘文東大名誉教授。

 発足記者会見には、代表を務める宇沢氏のほか、世話人として昨年10月に民主党の国会議員らが中心となって発足した「TPPを慎重に考える会」会長の山田正彦衆議院議員と、久野修慈中央大学理事長が出席。

 宇沢氏は「一国の首相が『第3の開国』と無責任な発言をするのは許せない。私は怒りに充ちている」と、時折声を荒げながら代表を引き受けた経緯について語った。

 国民会議には「TPPを慎重に考える会」も一会員として参加するほか、超党派の議員や、研究者、各団体などに参加を呼びかけている。

 2月26日には山梨県立文学館で15時30分から講演会を開くほか、3月には全国各地で対話集会を開催する予定。

 http://www.jacom.or.jp/news/2011/02/news110224-12656.php より


■「TPP反対で結束」24日に超党派国民会議発足へ
  2011.2.23 01:44 【産経新聞web】

 民主党や国民新党の国会議員による「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を慎重に考える会」(会長・山田正彦前農水相)を中心に、新たに有識者を交えた超党派の「TPPを考える国民会議」が発足することが22日分かった。菅政権が看板政策に掲げるTPPをめぐり、民間人や野党を巻き込んで反対運動を展開するのが目的で、国民会議がそのまま菅政権倒閣運動の中核組織に発展する可能性もある。

 「国民会議」の代表世話人には宇沢弘文東大名誉教授が就任、山田氏は世話人となる予定だ。24日に都内で設立の記者会見を行う。

 24日に発表予定の設立趣意書では、TPPについて「国民生活を脅かす改革に懸念を抱かざるを得ない。政府に対して、拙速な参加ではなく、真に国益にかなう経済連携を求めたい」と盛り込み、参加への強い反対を示している。今後は、全国各地での集会開催も計画している。

 設立にかかわる民主党議員の一人は、自民党をはじめとする野党議員にも参加を促していくとしている。「慎重に考える会」のメンバーは民主党の小沢一郎元代表を支持する議員が多い。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110223/stt11022301450000-n1.htm より

投稿時間 : 23:51 個別ページ表示 | トラックバック (0)

2011年02月13日
 ■ TPPという名の「八百長政治」にNOを!

 豪雪に、火山噴火に、鳥インフルに、口蹄疫。気候的にも社会的にも、そして政治的にも、厳しい冬が続いています。

そんな中で、エジプトのムバラグ政権が民衆の直接行動によって、ついに、倒されました。アラブ世界で唯一イスライルを「承認」していたエジプトでの「民衆革命」は、アメリカの中東戦略に根本的な見直しを迫るでしょう。オバマは、内心では、ムバラグ政権の継続を願っていたでのでしょうが、先を見越してイニシアチブを取るために、ムバラグに「即時退陣」を迫ったのは、さすが(ペテン師!)でした。

 それに比べて情けないのが日本です。民衆の「即時退陣」要求に対して「もっと現実的に物事を考えるべき」と要らぬブレーキを掛けたのが前原外相。尖閣の時といい、今回といい、この男には「現実」がな~んにも見えていないんですね。

 この「現実が見えない」政治家・前原を中心にした従米・ネオリベ勢力が、学者、マスコミを総動員してを強行しようしているのがTPP(環太平洋経済連携協定)です。「TPPは第三の開国だ」「参加しないと世界の孤児になる」などの、小泉ばりのワンフレーズ政治を展開中ですが、中身の説明は一切ありません。

 しかし、TPPの作業部会には、農業分野だけではなく、医療、法務、金融、通信など24の作業部会があります。ことは「農業」だけの問題ではなく、ほとんどの国内市場を、アメリカに明け渡すことになりかねないものです。ところが、いまでもその全容を国会議員や関係省庁にも明らかにしないまま、「参加」の方向だけは「決定」してる菅政権。まさに「熟議」とは真逆な「八百長政治」です。ウソと張ったりで、反対者を「農業既得権にしがみつく守旧派」よばわりするところまで小泉流です。

 しかし「一回目は悲劇、二回目は喜劇」という諺があるように、いま、人々は、TPP議論の胡散臭さにジワジワと気づきはじめているのではないでしょうか。小泉の時代、いや、もっとさかのぼれば中曽根の「国際国家論」や小沢の「国際貢献論」いらい、日本はずっとアメリカの言いなりになって「開国」に継ぐ「開国」をしてきたではありませんか。その結果が、暗澹たる「無縁社会」「格差社会」「地方の崩壊」。「もういい加減にしてくれ!」というのが人々の偽らざる気分でしょう。

 そうした気分もあってか、昨秋来、TPP反対の動きが強まっています。JAや日本医師会は早々に「反対」「懸念」の表明をしました。地方では議会での意見書採択や首長による政府への「慎重対応」申し入れなども昨年秋から続いています。

 そして市民の側の反対の動きも始まっています。来る、2月16日(水)には参議院会館で緊急のシンポジウムがが行われます。(当日の動画です)

また、26日(土)には、同じく東京で、TPP反対の集会が多彩な人々の呼びかけで行われた後、日本経団連へのデモが予定されています。

 この日本経団連へのデモという発想は良いですね。気候変動交渉での「京都議定書殺し」の背後には日本経団連がいました。もう民主党はいいから、直接日本経団連に異議申し立てをしたい、というい思いは、多くの市民に共通しているところだと思います。

 少し脱線しますが、いまからちょうど35年前、ロッキード疑惑が浮上してきたとき、春闘の行動で丸紅と日経連に押しかけました。丸紅のシャッターを旗竿で「ガシャン」「ガシャン」と叩いても、機動隊は何もできず、ものすごく解放感を味わったことを覚えています。オイルショック以降の「重苦しい」雰囲気が、あれで、いっぺんに吹き飛びました。これを契機に民衆が反転攻勢に転じ、翌年の三里塚決戦へと登り詰めたのでした。経団連へのデモと聞いて、ひょとして、そんな情勢が再びくるのかな、なんて、思ってしまいました。

 東京近辺の人、16日は無理でも26日はぜひ参加してください。
 
 しかしTPP反対の「市民運動」として「先行」しているのは、残念ながら「右翼」です。1月29日(土)に「頑張れ日本、全国行動委員会」が、日比谷公会堂で「亡国TPP断固阻止、民主党内閣打倒!」を掲げて、大集会(シンポジウム)を開きました。そこでは保守の論客の西部邁氏や、いまや「反TPP」論客のニューヒーロー中野剛志氏(26日の集会でも基調講演します)らが、熱弁をふるいました。

 しかもその内容がどれも真っ当。「敵はアメリカの市原理主義だ!」というのです。中野氏が「人を蹴落としても自分が助かればいいという考えが気に入らない!」と訴えると、拍手喝采。人々の気分が、伊達直人現象にもみられるように「自己責任論」から「連帯/分かち合い」へと変わってきていることの表れでしょうか。

 「頑張れ日本、全国行動委員会」や「チャンネル桜」グループの実態は知りません。どこまで「市場原理主義」との対決を本気で考えているのかも。そもそも「尖閣諸島(釣魚島)」問題や、「移民排斥」での彼らの立場は、許せるものではありません。しかし、TPP反対に関する限り「別個に進んで共に撃つ」ことは可能かもしれません。

<参考>
中野剛志:TPPはトロイの木馬──関税自主権を失った日本は内側から滅びる
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/01/tpp_5.html


 ムバラグを倒した偉大なエジプト民衆革命について、古くからの知人がこう記していました。「私たちは、『自己決定』を国家のあり方を経由しない狭めた意味に使ってきたのではないか。国家のあり方を変える力のなかにこそ、言葉の原義『自己決定』が生きてくる」と。

 この先輩のひそみに習うと、このTPP反対の闘争やCOP17にむけて政府に「25%削減からの撤退」の撤回をせまる闘争は、まだ「国家のあり方」を変えるようなレベルのモノではありません。政策の「あり方」を変えるレベルです。

 しかしこの国では「政策」の転換が容易でないことは、政権が交代しても「政策」が変わらないことからもよくわかります。そして、TPPへの参加を「決定」してしまうと、その構造がさら固定化していくことになります。国際経済協定が国内法(憲法含む)の上位として君臨し、社会のあり方を規定してくるからです。まさにTPPは「民主主義を滅ぼす」(E・トッド)から問題なのです。

 TPPをめぐって、反対派は、いま、必ずしも劣勢とは言えません。まず、既成勢力の側が一枚岩ではありません。民主党の中にも反対勢力が存在します(鳩山派、小沢派と重なりますが)。態度を棚上げしている自民党の中にも反対派が存在します。経産省と農水省の対立もあります。

 さらに、賛成派のロジックがあまりにも低劣。「農業vs国益」や、前原の「GDPで1.5%しかない農業のために98.5%の産業が犠牲になっていいのか」という発言は、影響を受ける分野が24項にものぼることや、そもそも、日米で関税をゼロにしても、ドル安策によってアメリカへの輸出は増えない、という指摘もあり、逆に「事実を隠蔽している」との反発を呼んでいます。まるで日本相撲協会です。

 そして、先述したように、なによりも人々のトレンドが「競争に勝って生き残る」から「助け合って共に生きる」に変わってきていることです。こうした状況の中では、TPPでどの産業が得をして、どの産業が損をするのか、という損得論ではなく、中野氏がいように「人を蹴落としても自分が助かればいい」という考えは、是か、否か、を正面から問うほうが、説得力があるかも知れません。ここ20年間、ほとんどの人が「蹴落とされた」側ですから、共感を得られるはずです。

 とはいえ、「反対運動」を盛り上げ「政策転換」を実演する妙手があるわけでもありません。取りあえずは、小さな学習会をこまめに開催していきましょう。『TPP反対の大義』がいいテキストだと言われていますが、まだ、手にしていません。中野剛志氏の講演を録画した動画は、You Tube にたくさんありますから、それを一緒に視聴して、議論するのもいいと思います。

 私の近辺の動きでは、3月に、Attac京都が、京丹後の平賀緑さん(有機農業実践)を講師に招いて、学習会を予定しています。直近の動きでは、2月19日(土)に、内橋克人さんの「TPPは日本に何をもたらすか」の講演会があります(午後1時半、京都府農協会館、参考6)。近辺の人で都合のつく方はぜひ参加してみてください。

 「第三の壊国」TPPを断固阻止しよう。
 

投稿時間 : 23:27 個別ページ表示 | トラックバック (0)

2011年02月06日
 ■ 琵琶湖一周ミニ旅行


 2月6日(日)。3月のような暖かいこの日、琵琶湖一周のミニ旅行を行ってきました。前々からやってみたかったこの「目的の無い」旅。イヤ目的はハッキリしていました。それは湖北の雪景色を車窓からノンビリと眺めることです。
 
 
 参考までに経路は以下の通り。

 京阪淀駅―京阪東福寺=JR東福寺―(奈良線)―京都駅―(湖西線)―近江塩津―(北陸本線)―米原―(東海道本線)―大津駅下車/大津駅乗車―京都駅―(奈良線)―JR東福寺=京阪東福寺―京阪淀駅(帰着)。

 断っておきますが、これは「キセル」ではありません。JRの規則によると大阪近郊の区間は、同じ駅を通過したり、経路を戻ったりしなければ、大回りした場合でも最短区間の電車賃でOK、ということになっているそうです。

 この「ルール」を遵守して、今回はJR東福寺からJR大津駅までの切符(230円)を買って乗車し、時計回りで琵琶湖を一周して、いったん大津駅で下車して、あらためて大津駅から東福寺駅までの切符(230円)を買って帰ってきたのでした。
 ですからJRの運賃は往復で460円。(これが琵琶湖一周にかかった純粋な電車賃)。京阪は520円。総計で980円ということになります。朝10時過ぎに淀駅を出発して帰ってきたのが午後3時過ぎ。5時間たっぷり電車に乗って、この値段は、お得です(^^;)

 面白かったのは、近江塩津駅での乗り換え。ここで敦賀行き快速から姫路行き快速に乗り換えるのですが、敦賀駅で電車を降りたほとんどの人が、ホームの反対側に止まっている姫路行き快速に乗り込むではありませんか。「琵琶湖大回り」が密かなブームとは聞いていたのですが、これほどとは。多くの人がホームで、携帯やデジカメで雪景色を撮ってはしゃいでいました。私も、何年ぶりかに目にする銀世界をたっぷりと目に収めました。

 この方法で、いったい、どのくらい遠くまで行って帰ってこれるのか。青春18切符と並ぶ楽しみが一つ増えました。だだし、欠点は、駅の外に出れないことです。

投稿時間 : 21:57 個別ページ表示 | トラックバック (0)