現職の女性自衛官が国を提訴。北海道新聞、毎日新聞の記事と情報の転載を依頼する弁護士のメール、及び「訴状」「原告のコメント」です。
<社会>
わいせつ被害の空自女性隊員 国に1100万円賠償請求 札幌地裁(05/09 07:53)
同僚男性からわいせつ行為をされ、被害を相談した上司から逆に退職を強要されたとして、道内の航空自衛隊の部隊に所属する女性隊員(21)が八日、国を相手取り、約一千百万円の損害賠償を求める訴えを札幌地裁に起こした。原告代理人の弁護士によると、現職自衛隊員が国を訴えるのは異例という。
訴えによると、この女性は昨年九月、勤務中に泥酔していた同僚男性(32)から基地内で押し倒され、無理やり体を触られるなどした。女性は上司数人に相談したが「退職願に(印鑑を)押せよ」「ここまでこじれたら、自衛隊ではやっていけないんだよ」などと、逆に約半年間にわたって嫌がらせを受け続けた。女性は上司に男性の退職か転勤を求めたが、基地側が適切な措置を取らず、長期にわたり精神的苦痛を受けたとしている。
女性の父親(48)は提訴後、札幌市内で記者会見し、「私は加害者や上司を許すことができません。被害者が泣き寝入りする現状があってはならず、現職のまま闘います」と女性のコメントを代読。さらに父親は、女性から話を打ち明けられた時の心境を「本当につらかった。言葉には尽くせない」と語った。
同席した代理人の佐藤博文弁護士も「自衛隊には、世間では理解し難いようなハラスメント(嫌がらせ)がある。今回の訴訟は、氷山の一角にすぎない」と強調した。
これに対し、女性が勤務する基地は、警務隊が今年二月から強制わいせつの疑いで捜査していることを認めたが、退職の強要については「あったかどうかも含め、部内で調査中」と説明。訴状については「正式に受け取っていないので、コメントできない」としている。
■ 毎日新聞
女性空士長:同僚のわいせつ行為で国家賠償提訴 北海道同僚からわいせつ行為を受けたうえ、退職を強要され精神的苦痛を被ったとして、航空自衛隊北部航空警戒管制団(司令部・青森県三沢市)の道内基地に勤務する女性空士長(21)が8日、国に対して約1115万円の損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こした。提訴後会見した空士長の父(48)は「(被害は)あってはならないことで、怒りしかない」と述べた。
訴状によると、空士長は女子隊員寮で就寝していた06年9月9日午前2時半ごろ、泥酔した男性3曹(32)に内線電話で呼び出され、胸などを触られた。上司に被害を訴えたところ、「ここまでこじれたら、自衛隊ではやっていけないんだよ」などと言われたうえ、退職を強要された。自衛隊としての責任の明確化と再発防止を求めている。
空士長は「私の人権と女性としての尊厳を取り戻すため、国と戦いたい」とのコメントを出した。一方、空士長が勤務する基地の広報担当者は「訴状を受け取っていないのでコメントできない。退職強要の有無については現在、内部調査中」と話した。
男性3曹のわいせつ行為をめぐっては、空士長は千歳地方警務隊に被害届を提出している。【芳賀竜也】
毎日新聞 2007年5月9日 0時29分 (最終更新時間 5月9日 2時32分)
■佐藤弁護士からのメール
Subject: 女性自衛官人権訴訟を提起しました札幌の佐藤博文です。
本日、北海道内にある航空自衛隊通信基地の女性自衛官(21歳)が、上司に強姦まがいの行為をされ、しかも被害者である彼女にいじめ、退職強要等のパワハラを半年以上にわたって行なったという問題で、札幌地裁に慰謝料1000万円と、退職前提の年休消化として意思に反して取らせた年休の賃金相当額について、国家賠償請求訴訟を提起しました。
お父さん(東京在住)が、彼女に北海道・札幌の弁護士を紹介しようと、東京の法律事務所に相談し、その事務所がイラク訴訟・自衛隊110番をやっている私の事務所を知っていたので紹介し、私に繋がったという経緯です。その意味では、全国弁連の「自衛官・家族110番」活動の成果ということができる事件です。
本訴訟は、驚くべき自衛隊の職場実態、女性自衛官への人権侵害、自衛隊幹部の反人権思想を告発する裁判となります。
何といっても、いったんは退職を決意するも、思い止まり、現職のまま裁判を闘うことを決意した彼女に、私自身励まされる思いです。彼女の勇気に敬意を表しつつ、彼女を励まし支えることが重要だと考えます。
全国の原告団や弁護団の皆さん、あるいは人権団体、平和団体などの方々に、応援や支援をお願いすることになるかと思いますので、宜しくお願いします。すでにテレビで報道されており、あすの各紙朝刊に出ると思います。防衛省昇格、イラク特措法延長法案など、海外で戦争をすることになりつつある中、軍隊は本質的にこういう問題を孕んでいるんだ、こういう軍隊を外国に出して殺戮行為に従事させるのか、という問題提起にもなっていると思います。彼女自身、今のような自衛隊を海外に出したら大変なことになります、と言っています。
訴状は、固有名詞が分からないように、ABC・・・と表示し、あるいはマスキングしてあります。本人のコメント(提訴後の記者会見でお父さんが代読した)と合せて、お送り致します。
転送して結構です。ぜひ多くの人に知っていただき、考えていただきたいです。本人の意向でもあります。
ところで、昨日は提訴のために有給をとっていた彼女ですが、今朝出勤したときに、勤務場所を現在の本部の庶務から、庁舎内で「奥」とか「倉庫」といわれている6畳ほどの何もない部屋に行けと命令されたと、今朝8時頃、泣きながら電話が入りました。しかも、その理由が「お前は部隊の業務を滞らせているから」と言われたとのこと。彼女は、それまできちんと仕事をしていて文句一つ言われたことはないし、昨日は年休を取り、外出許可をもらって出ているのだから、「業務ができていない」と言うのは濡れ衣と怒り心頭。
なぜ配置換えか上司に理由を問い質し記録すること、弁護団も対応するから落ち着ついて行動すること、提訴のコメントで「現職で裁判を行なうことがどれだけ難しく、また、どれだけ大変かは理解しているつもりです」と啖呵を切ったのだから頑張れ、とアドバイスしたところです。彼女に対する全国的な激励と支援の方法について、皆さんのアドバイスをいただければと思います。
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弁護士 佐 藤 博 文
Tel 011-231-1888 Fax 011-281-4569
E-mail hirohumi@hg-law.jp
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3月10日は東京大空襲の日です。今年、私は、特別な思いでこの日を迎えました。というのは、正月に帰省した時に、82歳になる父から、20歳の時に東京大空襲に遭ったと、はじめて聞かされたからです。
当時父は、新潟から東京に丁稚奉公に出ており、荒川区で「ゼロ戦」の部品を作る工場で働いていたそうです。そこで3月10日を迎えたのです。1945年、終戦の年のことです。
その日、B29はいつもより低空で銀色の腹を見せて、何度も何度も頭の上を通過していったそうです。そして焼夷弾のアラシ。
父が、どのようにして大炎火の中を生き延びたのか、定かではありません。近くの小学校に避難して助かったようです。
逃げる途中、高架があり、そこに沢山の人が逃げ込もむのを見たそうです。翌日、そこに行ってみたら、中に沢山の人間が折り重なって死んでいました。
他にも言葉にならぬ地獄を見たようです。荒川には、水面が見えない位の死体が浮かんでいたこと。「感覚がマヒして、ちっともおっかいとは思わなかった」。
川だけではありません。「翌日、あたりを、自転車であたりを見てまわりった時、木の燃えっクズが車輪にひっかかって前に進めないと思って、調べてみたら死体だった」。
岩波新書の『東京大空襲』(早乙女勝元著)に、木の燃えくずのようになった死体の写真が掲載されています。母親と子どもの死体です。父は、あまたのそうした死骸を目撃し、その中をさまよい、その中で生き延びたのでした。
10万人もの死者がでた「東京大空襲」ですから、あの場に居て、生き延びられたのが不思議なほどです。あそこで二十歳になったばかりの父が焼け死んでいたら、今の私は無いのです。そう思うと「オヤジよ、生きていてくれてありがとう」と心から思いました。
父の「戦争体験」は、それだけではありませんでした。東京で被災したすぐ後、4月に招集され、長野の人たちと混成部隊を結成して大分に送られます。そこで「本土決戦」に備え、九州で米軍を迎え撃つため、高射砲をすえつける塹壕掘りをやっていたそうです。しかし、九州へ送られる時、父は日本の負けが近いと感じています。それは、海岸にあるべき高射砲が、すべて赤く焼け落ちている様が、列車から見えたからです。
案の定、日本は8月6日の広島、9日の長崎への原爆投下で「降伏」します。父たちは開放され、郷里に引き上げます。その引き上げの途中、父は、被爆から一ケ月もたたない広島の街を観ています。「おっかなくて汽車から降りられない」くらい不気味な街、全てが焼けて、な~んにもない街だったそうです。
東京大空襲とヒロシマ。普通の庶民が一瞬で24万人も犠牲になった二つの大惨事。この渦中に20歳の父はいたのです。そのことを、なぜ、60年間、黙して来たのか。
数日まえの新聞に、「東京空襲犠牲者遺族会」が、3月10日の大空襲をはじめとする都内各地の空襲被害に関し、国に謝罪と損害賠償を求める訴訟の準備を進めているという記事が載りました。今年の終戦記念日のころに正式に提訴したい、とのことのようです。
「心ならずも戦争で命を落とされた方々に、心から哀悼の誠をささげる」。小泉首相が、靖国神社参拝の理由を説明する言葉です。しかし、戦争で生命を落とした人は、靖国神社に祀られている戦闘による死者だけではありません。ヒロシマ、ナガサキをはじめ、全国各地に空襲によって「難死」した犠牲者がいるのです。
政府は、軍人・軍属には、軍人恩給と年金を(「顕彰」の意味を込めて)一年間に約一兆円も支給しています。しかし、空襲による犠牲者にはビタ一文も出していません。「戦争被害は国民が等しく受忍しなければならない」という理由からです。
空襲犠牲者にとって、「戦時」は、今も続いているのです。
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5月26日、自民党の森岡正宏・厚生労働政務官(奈良出身)が、「A級戦犯はもう罪人でない」と発言した。(資料として添付した「朝日新聞」の記事参照)
私は仕事でよく奈良に行くので、街角で森岡氏の顔写真入りのポスターをよく目にしている。それで、なんとなく縁を感じて、質問状を出してしまった。
あえてナショナリズムの論理を使って質問をしている。相手の土俵に上ってでも、きちんと切り結んだ議論をしたいから。こちらの真意が伝わるといいのだが…。返事は、いまのところ、無い。
森岡正宏議員のHP:http://www.m-morioka.com/
メール:webmaster@m-morioka.com
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先月21日、東京で表題にある討論会があり、参加してきました。17~18年ぶりに新宿の街の空気を吸いました。高校時代に夏・冬・春休みのほとんどを東京でバイトをし、休日には新宿の紀ノ国屋で本を捜したものです。だから新宿は私にとって「青春の街」です。切ない思い出もありますし(^^;)。
でも、久しぶりに訪れたら迷ってしまい、すんでのところで開会に間に合わないところでした。街も、時代も、人の記憶も、変わってしまうってことですね。
以下は、その新宿で行われた討論会の報告というか感想です。
●真っ当なルールを求める声が与党案を圧倒
●改憲国民投票法めぐり公開討論会
三月二十一日、「公開討論会/PANEL DISCUSSION、改憲の是非を問う国民投票 どんなルールで行うべきか」に参加した。会場の半分以上を女性が占めるなか、中山太郎・衆議院憲法調査会会長ほか、与野党の憲法問題責任者がズラリと顔をそろえて憲法改正のための「国民投票法」の中身について活発な議論を展開した。
主催は「真っ当な国民投票のルールをつくる会」。コーディネーターはジャーナリストの今井一さんが務めた。
「国民投票法」賛成派の揃い踏みか?
最初に「国民投票法」を制定することの意義について意見を交わした。しかしこのテーマではパネラーの間で際だった意見の違いはなかった。
本来ならこの入り口部分で「ルールの中身に関わらず改憲のための国民投票法には反対」という主張を共産党が展開し、それをめぐって議論が沸騰するはずであった。しかし共産党の二比聡平・参議院議員(北九州出身)が前日の福岡西方沖地震で欠席を余儀なくされ、意見を聞くことができなかった。
代わりに今井一さんが会場からの意見を募ったが「国民投票法それ自身に反対」と主張をする参加者はいなかった。これは意外だった。
一方、保守政治家は「国民が主権者」(中山太郎)、「憲法制定権は国民にある」(保岡興治・自民憲法調査会会長)との立場から「国民投票法」制定の意義を強調していたのは印象的だった。
この問題では社民党の立場が注目されたが、パネラーの阿部知子・政策審議会会長は「国民主権を強化する内容であればOK」との立場だった。
続きを読む "3.21 憲法改正の「国民投票法」めぐり公開討論"
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■憲法改正:国民投票法案の修正求め意見書-日弁連
今国会への提出に向け与党内で調整が続いている、憲法改正の手続き法「国民投票法案」について、日本弁護士連合会(梶谷剛会長)は1日、「法案骨子に多くの問題点がある」とする意見書を発表した。
意見書は、与党が法案のたたき台として作った法案骨子について、(1)改憲条項ごとに投票を行うべきなのに、複数の条項を一括して投票にかけることが可能な条文になっている(2)投票結果に影響を及ぼす目的の報道や評論を禁じたマスコミ規制は撤廃すべきだ(3)国会の発議から国民投票まで「30~90日」としているのは短期間過ぎる--などとしている。【小林直】
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通常国会がはじまりました。小泉の相変わらずの「居直り」答弁だけが目立っています。ところで、自民党は今通常国会に、憲法改正のための「国民投票法案」と「国会法一部改正案」を提出することを明らかにしています。4月中に「国会法一部改正案」を上げて、5月の連休明けから「国民投票法案」の成立にむけ全力をつくす、のだそうです。今年の憲法記念日は、「国民投票法案」という超重要法案とともに迎えることになります。
ところが、この「国民投票法案」への護憲派、憲法改悪阻止派の対応は、私からみると、まったくいただけません。
例えば日本共産党。天皇制や自衛隊活用には過剰なほど「柔軟」な対応をしている共産党ですが、こと「国民投票法案」には頑なに反対する態度を崩していません。いや、反対でもいいのです。ちゃんと理由を論理的に説明できるのなら。しかし、それが出来ているようには思えないのです。
志位委員長は、1月19日に、この件で記者会見をしました。そこで語った反対の理由は、なんと「動機が容認できない」というものです。(資料-1)まったく内向き、仲間内の論理になっています。
共産党ばかりではありません。市民運動の側もその傾向ありです。例えば「許すな!憲法改悪・市民連絡会」で献身的に活動しておられる高田健さん。最近著した『護憲は改憲に勝つ』の中で、「よりよい国民投票法案を積極的に提起すべきだ」とする今井一さんを批判しているそうです。「そうです」と書くの、実は私はこの本をまだ読んでいなくて、第四インターの機関紙「かけはし」に国富健治さんが書いた「本の紹介」(資料-2)で内容を知っただけだからです。
国富さんは高田さんが「よりよい国民投票法案」論への「的確な反論」をしていると書いています。しかし、私には、国富さんの「本の紹介」のどこを読んでも、高田さんが、よりよい国民投票法案を対置する運動を「的確に反論」しているようには、読めませんでした。高田さんの意見を孫引きで紹介します。
「私たちは『試合(国民投票)をしない』というのではない。自民党など改憲派が決めようとしている『試合』のルールがでたらめだ、自らを有利にするために恣意的に作られたルールであり、このもとでの『試合』は力関係を正当に反映できないと言っているのだ」
「ルールがでたらめ」ならば、これに反対して「真っ当なルール」を要求するのが筋ではないでしょうか。ところが、高田さんや、国富さんは「ルールがでたらめだ」と叫けぶだけの運動が「正しい」というのです。
今年から来年、再来年にかけて「憲法問題」は、否応なく、政治の一級の課題に押し上げられていくでしょう。早ければ、07年夏の参議院選か、秋の衆院選とセットで、歴史上初の「憲法改正のための国民投票」が実施される可能性があります。その時、国民投票をどんなルールで行うのか、そのルールをめぐる攻防こそが「憲法決戦」の第一ステージではないでしょうか。
自民党がどんなルールを出してくるか、わかりません。仮に01年の「改憲議連」案をちょこっと手直ししただけのものだとすると、ルールをめぐる攻防は、こちら側が「真っ当なルール」さえ出せば、大衆の注目の中で、相手を圧倒できる可能性が充分あると思います。こんなチャンスはめったにあるものではありません。
昨年から「真っ当な国民投票ルール・市民案」を練ってきた人達が、それをもって国会(議員)への「要望行動」を開始します(資料-3)。この運動体自身、まだ小さな動きしかできていないようですが、「政治の環」をつかんでいると思います。注目して行きたいと思います。
(資料-1)
<2005年1月20日(木)「しんぶん赤旗」>
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-01-20/01_02.html より
(資料-2)
かけはし2005.1.24号
http://www.jrcl.net/web/frame05.0124e.html より
(資料-3)
真っ当な国民投票のルールをつくる会
http://www.geocities.jp/kokumintohyo/ より
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新春早々の1月8日(土)。私が参加する「自衛官人権ホットライン」の例会があり、その場で、岩波ブックレット『憲法九条、いまこそ旬』を読んでの感想を報告させていただいた。
「憲法9条」が「今こそ旬」かどうかはわかりませんが、「憲法議論」は「今が旬」であることは間違いなさそうです。以下はその時のレジメです。
岩波ブックレット
『憲法九条、いまこそ旬』を読んで
05/01/08 五十嵐 守
- 九条を論じる前に―憲法とは何か
- (1)井上ひさしさんと鶴見俊輔さんの「違い」
- 「憲法が優越」(井上)
- 「憲法をふくめて、法の前にあるもの」(鶴見)
- 「憲法が優越」(井上)
- (2)立憲主義と硬性憲法
- 立憲主義―人民の命令による国家の拘束
- 硬性憲法―将来の人民を拘束
- ギリシャ神話「ユリシーズとセイレン」
- 人民の「自己決定権」(「間違う権利」を含む)が優越
- 立憲主義―人民の命令による国家の拘束
- (3)「コンスティテューション(constitution)」という発想
- 憲法=constitution
- constitution=憲法典(テキスト)を含む政治社会制度、習慣(イギリス的発想)
- 憲法の「特権」視―改憲派、護憲派に共通
- 庶民の実感、「改憲賛成」50%超、今、政治家に望むこと「改憲」3%(2001)
- *この項、岩波新書『改憲は必要か』憲法再生フォーラム遍、杉田敦文章 参照
- 憲法=constitution
- (1)井上ひさしさんと鶴見俊輔さんの「違い」
- 「九条を守る」って何を守るの?
- (1)九条の会アピール
- 「(改憲)その意図は、日本をアメリカに従って『戦争をする国』に変えるところにあります」
- 「日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、『改憲』のくわだてを阻む…」
- 「(改憲)その意図は、日本をアメリカに従って『戦争をする国』に変えるところにあります」
- (2)自民党「憲法プロジェクト」の論点整理(案)…安全保障
- 「自衛のための戦力保持を明記する」
- 「国際協力(国際貢献)に関する規定を盛り込むべきである」
- 「個別的、集団的自衛権にかんする権利を明記すべきである」
- 「自衛のための戦力保持を明記する」
- (3)元気な「専守防衛」の立場に立つ「九条」派
- 三木睦子さん 「自衛隊というのは、自分たちを守ってくれるから自衛隊だと思うのに、『戦争はしません』『武器は使いません』っていって、なにもイラクまで行く必要はなのです。」
- 箕輪登さん(元郵相、元防衛政務次官)…自衛隊イラク派兵違憲訴訟
- 小池清彦さん(新潟県加茂市長、元防衛庁キャリア官僚、)…イラク特措法反対の全国会議員への手紙
- 三木睦子さん 「自衛隊というのは、自分たちを守ってくれるから自衛隊だと思うのに、『戦争はしません』『武器は使いません』っていって、なにもイラクまで行く必要はなのです。」
- (4)公共哲学系学者による「穏和な平和主義」(自衛隊容認)の提唱
- 墨守・非攻(小林正弥さん『非戦の哲学』(ちくま新書)
- 穏和な平和主義(長谷部恭男さん『憲法と平和を問いなおす』(ちくま新書)
- (立憲主義と「善き生き方としての絶対平和主義」は相容れない)
- 墨守・非攻(小林正弥さん『非戦の哲学』(ちくま新書)
- (5)求められる「絶対平和主義」派からの説得力あるビジョン
- 「国家の自衛権」…と言う考え方…どう対応するか
- 「攻められたらどうする?」…非武装、非暴力の抵抗運動…様々な方法の開発 (無防備地帯宣言、非暴力トレーニング)
- 「国際協力」…自衛隊を国際救助隊「サンダーバード」に(水島朝穂さん)、非暴力平和隊(日本支部からスリランカに派遣)
- 「国際的な集団安全体制」…東北アジア非核・非軍事地帯構想
- 「国家の自衛権」…と言う考え方…どう対応するか
- (1)九条の会アピール
- 、憲法の中にある身分制の「飛び地」
- (1)皇室、皇族内部の確執、軋みの露呈
- 皇太子「雅子の人格を否定する動きがあった」発言の波紋
- 秋篠宮「自分のための公務はつくらない」
- 天皇「皇太子発言、理解できない」(「強制でないことが望ましい」)
- 皇太子「雅子の人格を否定する動きがあった」発言の波紋
- (2)「女帝」問題、一番大切なこと
- 「左」「右」の陣営で「賛否」の論議…いいのだけれど
- 女帝=愛子さんを天皇にする制度装置
- 一番大切なこと、愛子さんのご両親の意向(家族・親族会議などで話し合う)
- 「私たちの家系からはこれまで125人もの天皇を出してきたので、もうこの辺で終わりにしていただきたい」というよう発言は許されない
- 「天皇は、政治的権能を有しない」(憲法第4条)
- 「左」「右」の陣営で「賛否」の論議…いいのだけれど
- (3)本質的問題としての「天皇・皇族」の人権問題
- 天皇、皇族に認められていないとされる諸権利
- 政治表現の自由/国籍離脱の自由/外国移住の自由/職業選択の自由/婚姻の自由/皇室離脱の自由/財産を処分する自由/選挙権、被選挙権/養子をする等
- 天皇、皇族に認められていないとされる諸権利
- (4)天皇、皇族の「不自由」はどこからくるか
- 象徴天皇制(天皇から「政治」を剥奪…戦後リベラル派は歓迎)
- 「飛び地」(長谷部恭男)として残った「身分制」(生身の人間=国家機構という矛盾)
- 象徴天皇制(天皇から「政治」を剥奪…戦後リベラル派は歓迎)
- (5)打開策としての「イギリス型立憲君主制」(開かれた皇室)
- 立憲君主制…君臨すれど統治せず(政治的権能を有しない)
- 象徴天皇制…神聖性=「心」の支配者としての立場は維持
- イギリス王室「聖俗二世界論」(イギリス国教会首長は名目)
- (王は「俗」世界のキング、「聖」(心)は国教会が統治)
- 立憲君主制…君臨すれど統治せず(政治的権能を有しない)
- (6)天皇制をめぐるアナクロニズム
- 自民党の「論点整理」―「政」の復権(元首化)と「聖」の強化(祭祀の公的行事化
- 現実には「大衆天皇制」(松下圭一)を経て「俗」化が進行
- 自民党の「論点整理」―「政」の復権(元首化)と「聖」の強化(祭祀の公的行事化
- (1)皇室、皇族内部の確執、軋みの露呈
- 、気分としての「改憲論」にどう対応するか
- 希望格差社会の進行
- 「負け組み」の鬱屈感を回収する保守革命
- 平和主義と平等主義の再合流は可能か
- 希望格差社会の進行
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