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2007年02月13日

 ■ 6か国協議「合意文書」の評価

 6か国協議が合意文書を採択しました。

 この合意文書を一言で評価すると、朝鮮半島の「非核化」にむけたロードマップとしては抜け穴だらけですが、米朝の「非戦化」を保障するものとしては歴史的意義のあるものだと思います。

 合意文書は、北がニョンビョンの原子炉を停止、封鎖することを「非核化」にむけた「初期段階の措置」と規定し、幾つかの見返りの提供をうたっています。見返りの中には、米国が、北朝鮮をテロ支援国家の指定などから解除する、米朝国交正常化のテーブルにつくなどがあります。

 ニョンビョンの原子炉は、もともと、今夏にプルトニウムを取り出すために停止する予定だったとの観測があります。しかし、合意文書には、IAEAの査察がどの段階で行われるのかの定めはなく、プルトニウム抽出の後に行われる可能性を否定することは出来ません。
 北朝鮮は、核施設の「停止」「封印」に留まらず、非核化にむけてた核兵器の完全廃棄を行うべきです。米国をはじめ、中、露、も核廃棄を実行すべきです。

 米国が「北朝鮮をテロ支援国家の指定などから解除し」「米朝国交正常化のテーブルにつく」ことは、東アジアの平和にとって大いに歓迎すべきことです。そこには「北への先制攻撃も辞さず」という米国の姿勢はありません。「朝鮮有事」を遠くに退ける今回の米国の選択を歓迎します。

 朝鮮半島情勢の歴史的大転回の中で、安倍政権は迷走に迷走を重ねています。「拉致問題が未解決だからエネルギー支援は行わない」「各国は了解済みだ」などと言っていますが、問題は「エネルギー支援」云々ではないでしょう。
 合意文書では、60日以内に「日朝両国は、日朝ピョンヤン宣言に基づき、不幸な過去を清算し、懸案事項を解決することを基礎として、国交正常化の実現に向けて二国間の協議を開始」する、となっています。
 安倍政権は、真剣にこの約束を履行すべきです。拉致問題の解決は、国交正常化の実現によって、前進すると思います。
 また、朝米、朝日、国交正常化が実現すれば「朝鮮有事」を想定した日米安保条約は不要になります。即時解約を求めます。

 アメリカが今回見せた、軍事力重視から話し合い重視への転回は、朝鮮半島だけではなく、イラクをはじめ中東問題についても押し広げるべきです。今回の合意文書が、アメリカのイランへ攻撃を開始するための準備としての役割を担うものであってはなりません。
 アメリカは、イランの核問題を話し合いで解決し、イラクから即時撤退すべきです。

投稿者 mamoru : 2007年02月13日 23:39

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