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2004年09月25日

 ■ 『現代の理論』復刊

『現代の理論』復刊

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 ウワサに聞いていた『現代の理論』の復刊にむけた準備号が送られてきた。大先輩の小寺山康雄さんからである。準備号は50ページ足らずの小冊子。巻頭の座談会は、Web siteで公開している。ほかに37人ほどの人が一文を寄せている。これもけっこう読み応えがある。

 「現代の理論」には個人的には義理も恩もなにもないが、その志には敬意を表したい。協力して頂ける方は、以下を参照して申し込まれたい。

■季刊『現代の理論』
 <創刊準備号>
 ・編集員座談会 [現代の理論]のめざすもの
 ・沖浦和光・橘川俊忠・住沢博紀・小寺山康雄・池田祥子・宮崎徹
 <04秋 創刊号> 九月二〇日発売予定
 ・総特集 日本 どこからどこへ?
 ・創刊記念対談 人間の歴史を文明史的に捉え返す(尾本恵市×沖浦和光)

詳しくは「現代の理論」ホームページへ


『現代の理論』の復刊(第三次『現代の理論』創刊)について
ご 報 告 と お 願 い
                                      小寺山 康雄

 さて、かねてから準備してきました第三次『現代の理論』が、いよいよ九月末、創刊の運びになりました。ご報告するとともに、皆さまの、なにとぞのご尽力をいただきたく、お願いするしだいです。

 第一次『現代の理論』は、一九五八年、日本共産党七回大会における綱領論争の社会主義革命か、民族民主革命か」を機に、「社会主義革命派」の政治理論誌として刊行されました。しかし、日本共産党は当時も今も、党主流と異なる意見を発表し、論争を保障する党内民主主義とは無縁の党であります。そのため党外の出版社から刊行せざるをえませんでしたが、そのことによって逆に、たんに共産党内反主流派のフラクション雑誌ではなく、マルクス主義の現代的再生をめざす新しい試みとして、広く党外の非マルクス主義知識人を含めて、労働者・市民が注目し期待する雑誌となりました。しかし、共産党の官僚主義と執拗な介入・弾圧によって第一次『現代の理論』はわずか五号で廃刊せざるをえませんでした。

 第二 次『現代の理論』は日本共産党八回大会で除名され、離党した「構造改革派」の雑誌として、一九六四年一月(三月号)に刊行され、ハ九年に終刊するま 四半世頑張りました。
 グラムシ思想とイタリア・マルクス主義の精力的探求、ユーロコミュニズムとユーロソシアリズムの積極的紹介、地球環境の危機を警告したローマクラブの「宣言」とドイツ緑の党に対する先験的着目、さらにドイツ社会民主党綱領の積極的意義の解明…。第二次『現代の理論』は教条的マルクス主義と訣別し、人間的で民主的な社会主義を追追求する日本新左翼の理論的拠点たるべく奮闘してきました。今日から見れば、フェミニズムが欠落していたことは決定的ともいえる限界ですが…。

 第三次の出発にあたっては、『現代の理論』の果たし きた役割を、その限界も含めて、真剣に総括される必要があります。同時に、このことは日本新左翼の歴史的功罪を総括することに通じることでもあります。
 九一年第一次湾岸戦争の開始とソ連邦の解体、グローバルエコノミーの圧倒的勝利と労働運動の全面的後退、世界を覆うアメリカニズムと間断ない地域紛争、そしてこの国で公然と開始された改憲策動と国家主義・排外主義の台頭。今日ほど現実批判に立ち向かう思想と理論が求られている時代はないでしょう。文字通り「現代の理論」が待望されています。
 体制派イデオローグと体制派メディアの跳梁もさることながら、理論と思想に対する軽視、冷淡こそ憂うべき状 況であります。第三次『現代の理論』の前途はけっして楽観できるものではありませんが、小さくとも敢然と時代状況に抗するメディアに育てていきたいものです。
以上、意のあるところをご了解いただき、第三次『現代の理論』の創刊にご尽力いただきますことを重ねてお願いする次第です。

二〇〇四九月

※宣伝誌として『創刊準備号』を同封いたします。
同封の振替用紙にて「発行基金」(一口三万円、一年間雑誌贈呈)、
・もしくは定期購読(一 年四千八百円、二年九千六百円、三年一方四千四百円、いずれも税・送料込 み)に応じていただければ幸いです。

投稿者 mamoru : 2004年09月25日 23:12

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