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2008年09月07日

 ■ 東レ商品の不買のお願い!

 派遣労働の「見直し」の動きが急です。自民党の総裁選や総選挙で国会での審議は遅れそうですが、一部の手直しや、労働者を放置するやり方ではなく、ヤクザ稼業の「ピンハネ」を合法化した政治家の責任も合わせて問題にしてほしいものです。

 以下に紹介するものは、地域のユニオン運動から届いたお願いです。派遣労働の問題点は、「日雇」の問題だけではなく、大企業が直接雇用を回避するために行う「グループ派遣」も問題です。この争議はSさん一人だけのものではないでしょう。

(注)小見出しは管理人


2008年9月

仲間の皆さん!

きょうとユニオン(京都地域合同労働組合)
京都市南区東九条上御霊町64番地の1アンビシャス梅垣ビル1階
Tel :075-691-6191
Fax:075-691-6145


■東レ商品の不買のお願い!

 皆さまにおかれましてはますますご清祥のこととお慶びいたします。 
さて、東レ・エージェンシー(派遣元)から東レリサーチセンターに派遣され3年2ヶ月間継続して働いていた組合員のSさんは、2007年5月31日に解雇されました。

 現在Sさんはこの不当解雇に対して、
①東レリサーチセンター(派遣先)に対する地位確認(派遣元の東レ・エージェンシーはグループ企業を中心にもっぱら派遣する会社であり、派遣先の東レリサーチセンターとの黙示の契約が成立していると主張)
②東レ正社員のセクハラ・ストーカー行為に対する損害賠償請求
を内容とした訴訟を行っています。

 この裁判・争議に勝利するために、全国の仲間の皆さんに、東レ(株)商品と東レが資本を25%出資している合弁会社―松下プラズマディスプレイの商品の不買を呼びかけます。

 ■セクハラ・ストーカー告発に対して報復解雇

 Sさんは、2002年9月に東レ・エージェンシーに派遣登録し、2003年7月から別の派遣先(東レ関連会社)に派遣させたあと、2004年4月1日から、東レリサーチセンター(派遣先)の面接を受け、専門の26業務である「事務用機器操作」に従事するという「派遣労働契約」を締結して,東レリサーチセンター滋賀事業場に派遣されました。
 しかし、実際に従事した仕事は専門業務といえるものではなく、一貫して庶務的な仕事であり、仕事内容についても派遣元から提示されたものは皆無で、就労してから新たな業務が次々に付け加えられていく、というずさんなものでした。

 東レ・エージェンシー(派遣元)は、業務内容を把握することもなく、勤務実態も月末の賃金計算時に知るという状態で、派遣元管理台帳も作っておらず、賃金さえも自らで決定することができず、すべて東レリサーチセンター(派遣先)の言いなりでした。

 さらに、2004年7月頃からSさんは、東レリサーチセンター(派遣先)に出向していた東レの男性正社員より、職場のみならず通勤途上でも2年以上にもわたって、執拗なセクハラ・ストーカー行為を受けていました。Sさんは被害からの救済を求めて東レ本社に訴えました。その結果、東レ側はSさんが東レリサーチセンター(派遣先)で今後も長く働き続けるための環境を整え、セクハラ行為を謝罪し、加害者を異動させることなどを約束し、一時的に別会社への異動を行いました。

 にも関わらずその後、東レ側は、加害者を元職場に戻すという方針転換を行い、派遣社員という弱い立場のSさんを排除することで問題を葬り去ろうとして、Sさんに解雇(第一次解雇)を言い渡しました。

 Sさんはこれに抗議し、解雇を撤回させ元職場に復帰し、結果的に加害者は自主退職したのですが、東レリサーチセンター(派遣先)の役職者や社員から、加害者に同情的な立場からの暴言が吐かれるなど、様々なセカンドハラスメントが行われました。

 そして最終的に、2007年5月末日、報復的な第二次解雇を行いました。この間、東レ・エージェンシー(派遣元)はこの問題に対して一切何も行わず、解決する努力を一貫して怠っていました。
 

 ■東レによるさらなる不当労働行為

 Sさんは、当組合に加入し団体交渉を申し入れ、解雇の撤回を要求しましたが、東レ側は一切誠実な団交を行いませんでした。3回行われた団体交渉には、派遣社員のSさんとは雇用関係がないという理由から、団体交渉を拒否していた東レリサーチセンター(派遣先)の役職者が、立会いと称して団交に介入し妨害を繰り返し、東レ・エージェンシー(派遣元)の弁護士までもがそれに加担したばかりか、セカンドハラスメントを積み重ねるという不当労働行為の状態が続いていました。

 これに対して労働組合側が地労委への救済申立てを準備中している最中に、派遣元と派遣先が結託して、あろうことか大津地裁にSさんを被告にした労働審判の申立てを行い、さらなる不当労働行為を行いました。

 東レリサーチセンター(派遣元)、東レ・エージェンシー(派遣先)とも東レ㈱の100%子会社の東レグループの企業です。現在、東レグループでは、もっぱら派遣など違法派遣が常態化しています。また、東レグループは、対外的には「人権意識の高い企業」「セクハラは、絶対容認しない」と、公言している企業です。そのような企業で、セクハラ・ストーカー行為が2年にも亘って続けられ、これを訴えたあとに行われたセカンドハラスメント、そして二回にわたる解雇、さらには、労働組合に対する不誠実団交と「労働審判制度」を悪用した更なる不当労働行為は決して許せません。

 Sさんは、今回の問題を決してSさん個人にかけられたものではなく、同じように働く派遣社員をはじめ全ての労働者の働く権利と尊厳を踏みにじるものであり、労働組合に対する不当労働行為であると考え、闘っていく構えを固めています。
 全ての皆さん!ぜひ、東レ(株)関連商品への不買にご理解をいただき、ご協力いただきたく存じます。よろしくお願いいたします。

 ■東レ商品一覧

 東レ商品は多岐にわたり象徴的なものはありません。また、商品化されたものだけでなく、その前段の素材にも使われている場合がありますが、以下の商品をあげることができます。

◎トレビーノ(家庭用浄水器)
◎トレシー(メガネレンズ拭き)
◎トレシー(洗顔クロス)
◎ブレス・オー(コンタクトレンズ)
◎風通るシャツ(盛夏用カッターシャツ)
◎竹爽(竹繊維・服地)
◎キューブ(肌着)
◎ボディシェル(肌着)
◎シルック(きもの地)
◎ケバック(抗菌・防臭機能のふとんの中綿)
◎東レテトロン
◎東レナイロン
◎インターキャット(ペット用抗がん剤)
◎インタードック(ペット用抗がん剤)
◎テグス(釣具)
◎水着を始めスポーツウェア素材

◎エクセーヌ(鹿革調人工皮革/婦人靴・バックなど、高級家具・高級車のシート素材など)
◎トレカ(炭素繊維/テニスラケット・ゴルフクラブなどの素材)
◎その他、通販の「ディノス」「千趣会」などで東レ商品がカタログ販売されています。
◎スポーツ分野/東レパンパシフィックテニス・東レ杯上海国際マラソン主催
バレーボールプレミアリーグ男女とも出場。
◎テレビの提供番組/冠番組「世界うるるん滞在記」(TBS系日曜22時)
ニュース23(TBS系)報道ステーション(ABC関西エリア)など

◎松下パナソニックプラズマディスプレイ(東レが資本の25%を出資)

投稿者 mamoru : 2008年09月07日 11:49

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