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2008年09月05日
政治は照れ屋です。対立軸は誰もがわかるような「昨日」と「明日」の対立としては表れません。時には、はにかみながら「昨日」と「一昨日」の対立として表われます。しかしそうであっても、やはり、根底には「昨日」と「明日」の対立が厳然として存在します。
福田首相の辞任表明には色々な要因があるでしょうが、国会運営の手詰まりよりも、経済政策の手詰まりが大きかったのではなかったかと思います。
「安心実現のための総合経済対策」。様々な合力が重なって出来上がったこの「補正予算」を、いったいどう説明したらいいのか。福田にとって「不安」だらけの「経済対策」となってしまったことでしょう。
小泉構造改革という「昨日」とはキッパリと手を切りたかった。しかし、手を切ってから、いったい、どこに向かったらいいのか?
まごまごしていたら、サブプライム危機と原料高騰という二大波が押し寄せてきた。「いざなぎ越え」も吹き飛び、「景気対策」を期待する声が久しぶりに聞こえてきた。チマタでは蟹工船が読まれマルクス復活の気運もあるという。永田町ではさすがにマルクスは(まだ)読まれないが、竹中ヘーゾウによって過去に追いやられた(はずの)ケインジニアンのリチャード・クーを信望する人が「国民の人気者」だとか。かと言えば、ナンミョウを唱える人が、最近やたらと自己主張をする。
ああ、面倒くさい。みんなまとめて「総合経済対策」にしちゃえ。
でも、わたし、説明できません。
あそう君、リチャード・クーさんのレクチャー受けたんだから、
次ぎ、お願いしますよ。
こうして「麻生を軸にした」インチキ「総裁選挙」がはじまりました。マスコミは対立の構図を「上げ潮派」VS「財政再建派」+「財政出動派」と描きます。
まさに「昨日」VS「一昨日」の対決です。
しかし、これを茶番劇と笑うことは禁物です。今、注目すべきことは、もう決着済みのものとされてきた「大きな政府」VS「小さな政府」という対立軸が、急激に前面化してきていることです。しかも人々の間で「大きな政府」への期待が高まっています。それもかつての「大きな政府」ではなく、「官僚」と「族議員」と「業界」の支配を許さない、「大きな政府 2.0」が民意だということです。
自民党総裁選から解散・総選挙で、各候補、各党はこの民意を基点にしたどのような「明日」を描くことができるでしょうか。対立軸は(たとえ古い言葉で語られようとも)、「昨日」VS「明日」をはらんだものとならざるをえないものなのです。
投稿者 mamoru : 2008年09月05日 20:08
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