« 新基地は本当に必要なのか/伊波洋一・宜野湾市長の主張をめぐって | メイン | マスコミでは報じられない「国外移転」への動き »

2010年05月03日

 ■ デモに「風呂」が登場!/4、29 逃散・不服従メーデー

 メーデーは5月1日と決まってたのは昔の話し。最近は開催日が分散する傾向です。先鞭をつけたのは「連合」。ゴールデンウイークの初日(4月29日)に定着しているようです。

 私が今年参加したメーデーも4月29日に行われました。しかし大企業の労組の集まりである「連合」とは対照的な、不安定雇用にある人々を中心にしたインデーズ系のメーデーです。

 日差しはあるが、風が強く、少し肌寒い「昭和の日」の午後。京都の繁華街、四条河原町を二筋下がった東側にある「仏光寺公園」に人々が三々五々、集まってきました。その数最終的に約100名ほど。

 すでに色々なプラカードや横断幕が公園に並べられていますが、これがメーデー会場だと気付く通行人は少ないはずです。何故なら、ここにはメーデにはつきもの「労働歌」が流れていません。恒例の「大幅賃上げを勝ち取るぞ!」などというスローガンもありません。そして、集まってくる人々は、人生のスタートを切って間もないか、今、まさに切ろうとしている若者が圧倒的なのです。おそらく連合系のそれにも、また全労連系のそれにも、参加した体験のない若者たちによる「手作りのメーデー」。題して「逃散・不服従メーデー」のはじまりです。

 とは言っても力強い演説が延々と続く、というものではありません。主催団体の「ユニオンぼちぼち」「反戦生活」「ユニオンエクスタシー」の3団体のメンバーが、普段通りの口調であいさつ。

 「祝日であっても、多くの仲間が働いており参加できません。祝日をふやすよりも、有給休暇がとれるよう現実を変え、自分の時間を取り戻したい」などなど。

 そのあと「模擬団交」の寸劇。残業代を払わない引っ越し屋の社長を、団交で追いつめていくストーリー。

 「ウチは30分単位でしか残業代払わないから、28分で仕事が終わったら、グズグスせずタイムカードを押せ」。

 「分の世界」で賃金をもらった経験のある人にとっては、リアル過ぎる言葉。団交の中で「30分単位の支払い」に法的な根拠がないことも明らかになり、勉強になります。

 続いては、色々な団体・個人の発言が続きます。
 「反学費会議」という団体の学生の話し。学費を払わないとはなんと反社会的な! と思うなかれ。大学の学費は無償であるべきだ、ということを訴えているのです。親の経済力の違いで子どもの選択が狭められる社会はおかしい、と。

 また「保護者団」の女性の発言にも考えさせられます。
 一人で子育てをしてきたが「一人で保護者をやるはヤメ!」。「保護者団」を募集して今は数人で子育てをしているそうです。ところが子どもが不登校。フリースクールに通っているのですが、その費用を行政に要求しているそうです。
 また、最近は子どもが「習い事」をしたいと言い出し、回りの母子家庭のアドバイスは「子どもに親の立場をわきまえるように説得せよ」。しかし、親の貧困が原因で、子どもの進路が決まるのは納得できない…。

 うーん。

 徹底して社会の側に問題を投げ返して行こうという立場はわかります。しかし、貧困層はエリート層とは違う、別の文化を形成していく道筋もあるんじゃないでしょうか。その文脈で「わきまえ」ることは闘いかも。でも難しい問題ですね。

 発言が終わったあと、メーデーはいよいよデモ行進に。そのデモの中にな・な・な・んと「風呂」が。私が知る限り、日本人民闘争史上初めてデモに「風呂」が登場したのではないでしょうか。

 シュプレヒコールもイケてました。宣伝カーからは、通行人に向かって、「みなさん、私たちは不埒なデモ隊です。シュプレヒコールも変わっています。ぜひ、この変わったシュプレヒコールをお楽しみ下さい!」

「失業保険をもっとよこせ!一生失業保険でい生きたい!」
「婚活なんてクソくらえ!」
「女性を結婚に追い込むな!
「働きたくない!」
「忙しい生活は貧困だ!」
「テレビ漬けの生活は貧困だ!」
「金をかけずに楽しむ時間を持とう!」
「怠ける権利をうばうな!」
「頑張る人生から降りよう!」
「逃散上等!」

(もっとぎょうさんありますが、略)

 生の声で「常識」と「体制」に挑戦する! そんな意気込みが「昭和の日」の京都の街にしっかりとこだました一日でした。

投稿者 mamoru : 2010年05月03日 11:22

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://mamoru.fool.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/112