« 競争vs学び合い 「全国いっせい学力テスト」に反対する! | メイン | 階層の「再生産」としての格差と貧困をこえて―ベーシック・インカムを考えよう »

2007年03月27日

 ■ 西山国賠判決/沖縄密約、存否判断せず

 密約があったことは、米国の外交文書公開で明らかになっている。交渉時の事務方の吉野文六元外務省アメリカ局長も認めている。未だに密約を認めていないのは日本政府だけ。予想されたとは言え、ヒデェー判決。この判決をマスコミがどう報道するかも注目。報道にとっての西山事件(=権力へのこびへつらい)は、さらに、いっそう、ひどくなっている。

訴訟の詳しい経過は、藤森克美法律事務所
★西山太吉国賠訴訟
http://plaza.across.or.jp/~fujimori/nt01.html

沖縄密約、存否判断せず、西山元記者が全面敗訴
2007年03月27日 15:45 【共同通信】

 沖縄返還時の日米密約をめぐる1972年の外務省機密漏えい事件で、国家公務員法違反の有罪が確定した元毎日新聞記者西山太吉さん(75)=北九州市=が、違法な起訴や誤った判決で名誉を傷つけられたとして、国に謝罪と3300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は27日、密約の存否を判断せず、請求を棄却した。

 加藤謙一裁判長は国の主張を全面的に認め「仮に起訴などが不法行為だったとしても、賠償請求権は除斥期間(権利の法廷存続期間、20年)の経過で消滅している。その後の国務大臣らによる『密約はない』との発言は行政活動に関するもので個人の社会的評価を低下させていない」と判断した。起訴や判決の当否にも言及しなかった。

 西山さんは2000-02年に密約を裏付ける米公文書が見つかったことなどから提訴した。



西山氏の訴え棄却 沖縄返還密約訴訟
<琉球新報>

 沖縄返還交渉をめぐる「密約」の取材で国家公務員法違反(秘密漏えいの教唆(きょうさ))の罪に問われた元毎日新聞記者の西山太吉氏(75)が、米公文書で密約が裏付けられた後も日本政府の否定発言などで名誉が侵害され続けているとして、国に謝罪と慰謝料を求めた訴訟の判決が27日午後、東京地裁であった。加藤謙一裁判長は「除斥(時効)期間の経過によって請求権が消滅した」として、西山氏の請求を棄却し、西山氏側が主張の力点を置いた密約の有無の判断もしなかった。西山氏は控訴する。
 判決について西山氏は「除斥期間であるとして、個人に対する名誉棄損も触れなかった。想像していた通りの判決だった」とコメント。代理人の藤森克美弁護士は「密約についても何も言っていない。一番逃げやすいところを押さえて書いた最低の判決だ」と批判した。
 同訴訟は2000年と02年に密約を裏付ける米公文書の発見を契機に05年4月提訴。9回の弁論で西山氏側は密約の立証に力点を置き、06年2月には返還交渉にかかわった元外務省幹部の密約を認める新証言が報道され、裁判所の判断が密約の事実認定に踏み込むか注目されていた。
 国側は裁判で密約の存在を認否せず、「密約が仮にあっても原告の有罪無罪を左右しなかった」「仮に違法行為があっても除斥(時効)期間の適用で賠償責任はない」として棄却を求めていた。
 西山氏側は国会承認を経なかった密約は違憲行為で、違法秘密であるから国家公務員法の保護の対象に当たらないと指摘。その上で、男女スキャンダルに仕立てた西山氏の訴追で政府は密約への追及をかわし、検察側の偽証により刑事裁判で誤った判決を下させたことは違法であり、不当と訴えていた。
 訴訟は沖縄返還の真相と密約という「国家犯罪」を追及し、知る権利の在り方も問い掛けた。
(3/27 16:02)


投稿者 mamoru : 2007年03月27日 22:27

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://mamoru.fool.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/53